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リハビリテーション課

当科の特色

当科は8時からリハビリテーションセンターを開放し、早朝からリハビリテーションが実施できる体制を整えております。入院患者さんでは、発症・受傷の初期段階より理学療法や作業療法、言語聴覚療法を実施し、日常生活の早期自立を目指したリハビリテーションを行っております。また透析患者さん、入院患者さんや退院支援における様々なカンファレンスに、リハビリスタッフが積極的に参加し、集学的な関わりにて患者支援を行っています。

施設概要(2025年4月 現在)

施設基準
脳血管リハビリテーションⅠ
運動器リハビリテーションⅠ
呼吸器リハビリテーションⅠ
心大血管リハビリテーションⅡ
がんリハビリテーション
廃用症候群リハビリテーションⅠ
集団コミュニケーション療法
スタッフ構成
理学療法士9名
作業療法士4名
言語聴覚士2名

資格

当院リハビリテーション科では、スタッフが各学会等の専門資格を取得し、診療の質の向上に努力しております。

取得資格一覧

  • 腎臓リハビリテーション指導士 5名
  • 専門理学療法士(内部障害) 1名
  • 認定作業療法士 1名
  • NST専門療法士 1名
  • 日本糖尿病療養指導士 3名
  • サルコペニア・フレイル指導士 1名
  • フットケア指導士 1名
  • 認知ケア指導士 1名
  • 公認心理師 1名
  • 介護支援専門員 1名
  • 福祉住環境コーディネーター2級 2名
  • 福祉用具専門相談員 1名
  • 生活行為向上マネジメント指導者 1名
  • 「がんのリハビリテーション研修」修了者 9名
  • 「日本ハンドセラピー学会 SW-test講習会」修了者 4名

外来リハビリ

外来リハビリは医療保険の算定日数内で実施します。介護保険下の通所リハは実施しておりません。リハビリをご希望の方は主治医にご相談ください。また初診の方は総合診療診察時にご相談ください。
感染対策としてスタッフの体調チェックや機器の消毒、リハビリ時間の調整等を行っております。リハビリ実施の際は、体温測定・入退室時の手洗い等のご協力をお願いいたします。

  • リハビリテーションセンター
    リハビリテーションセンター
  • 心電図モニターによる状態管理
    心電図モニターによる状態管理

理学療法の紹介

理学療法では、脳卒中後遺症や骨折・関節疾患、心疾患、呼吸器疾患などの他にも、がんリハなど多様なリハビリテーションを行っており、その中でも腎臓病や糖尿病に対する内部障害リハビリテーションに力を入れています。
腎臓リハビリテーションでは、腎不全保存期から血液透析、腹膜透析、腎臓移植前後の患者さんなど様々な病期の患者さんに対応しています。特に血液透析を導入された後の患者さんのリハビリでは、身体機能向上を目的としたリハビリの他に、通院を想定とした訓練や評価を実施しております。また糖尿病リハビリテーションでは、近年増加の一途をたどっている糖尿病性壊疽による足の切断予防に取り組んでいます(足病変の予防や状況に合わせたフットウエアの調整を行いっております)。
理学療法では、単に体力向上を目的とした運動療法の実施だけではなく、患者さんの心身状態や、生活スタイルにフィットしたプログラムの提供が大切と考えています。
内部障害のリハビリテーションは運動療法のみではなく、薬物療法、食事療法、患者教育などの包括的なリハビリテーションが必要であり、多職種協業でのリハビリテーションの実施を心がけています。

  • トレーニング機器による運動療法エリア
    トレーニング機器による運動療法エリア
  • 透析中のリハビリテーション
    透析中のリハビリテーション
  • 血液透析患者さんに対する送迎バスへの乗降訓練・評価の様子
    血液透析患者さんに対する送迎バスへの乗降訓練・評価の様子
  • 義肢装具士によるインソール講習
    義肢装具士によるインソール講習

作業療法の紹介

作業療法では、入院・外来患者さんを対象として「頭と身体、そして生活のリハビリ」に楽しみを交えながら実施しております。
頭と身体のリハビリとして、脳トレや四季折々の物づくりを提供します。また患者さん同士がコミュニケーションを取りながら楽しくリハビリを行い、活気を取り戻す支援をいたします。
身体と頭のリハビリにコグニバイクという機器も取り入れています。写真のように、バイクを漕ぎながらタッチパネルにて頭の体操を同時に行えるもので、効果が期待できると近年では注目されています。
また当院では、認知症や知能(IQ)の検査も取り組んでおります。認知機能や知能の検査としてHDS-R、MMSE、WAIS-III等を取り入れており、検査結果に基づいたリハビリや退院支援に活用しています。
生活のリハビリでは、日常生活動作の再獲得を目指し歩行や着替え・食事・トイレ・入浴の動作練習を実施すると同時に、専門知識を持ったスタッフが必要に応じた福祉用機器の選定も行っています。
透析患者さんへはライフスタイルに合わせたタイミングでリハビリが行えるよう配慮し、入院・外来ともに透析前のリハビリを実施しております。朝の透析前という時間を有効活用し、体力の維持、および入院生活で崩してしまいがちな生活リズムを整える手伝いをいたします。

  • 作業活動の風景
    作業活動の風景
  • コグニバイクによるリハビリ
    コグニバイクによるリハビリ
  • 認知機能検査の風景
    認知機能検査の風景

言語聴覚療法の紹介

言語聴覚療法では、言語聴覚士がコミュニケーション障害や記憶障害、食べ物が飲み込みこみにくい等の障害のある患者さんに対してリハビリを行っています。
ことばを聞き理解すること、話すこと、書くこと、計算などが難しくなる障害(失語症)や記憶障害や注意障害(高次脳機能障害)に対して検査や訓練を行います。訓練は1対1の個別以外にも数名の患者さん同士での集団コミュニケーション療法を取り入れています。
のどや舌・唇を動かす筋肉や神経、声の障害(構音障害)に対して検査や訓練を行います。
また、当院では飲み込みの障害(嚥下障害)に対しての検査も行います。簡易的な検査以外に嚥下造影検査や嚥下内視鏡検査を行い、より精度の高い検査を行います。検査結果をもとに必要な訓練を行います。
訓練には家族の方に参加して頂くこともあります。ことばの障害ではコミュニケーションを円滑に行えるように補助手段の使用方法を家族の方にも学んで頂く事もあります。また、飲み込みの訓練では食事の調理方法や注意点を覚えて頂く事もあります。
当院は入院患者さん以外に外来患者さんに対してもコミュニケーション障害や高次脳機能障害、嚥下障害のリハビリや検査も行っております。在宅の生活に沿えるよう努めるとともに、より質の高いリハビリテーションを心がけています。

  • 口腔機能の訓練
    口腔機能の訓練
  • 絵カードを用いた言語訓練
    絵カードを用いた言語訓練
  • 声帯や飲み込みの検査
    声帯や飲み込みの検査

診療実績

2023年度(2023.4.1~2024.3.31)のリハビリテーション件数は約52000件でした。疾患別リハビリテーションでは脳血管疾患が21%であり、運動器疾患が33%、呼吸器疾患が15%、心大血管疾患が23%、がんリハビリテーションが6%でした。また、当院で血液透析治療を受けられている患者さんの30%がリハビリテーションを実施していました。
2024年度入院リハビリ実施患者の入院時平均FIMは78.14点、退院時平均FIMが87.51点でした。入院時と退院時では平均して9.37点の向上が見られました。
リハビリテーション効果は、日常生活動作の能力を示す値 FIM (Functional Independence Measure:自分では何もできない状態の18点から自立の126点までを表す)という方法を用いて評価しております。

  • 疾患別リハビリテーション件数
  • 当院透析患者のリハビリ実施率(対象:デイタイムの透析患者)
  • リハビリテーション効果

2024年度の入院患者におけるリハビリ実施対象者は277名でした。入院時平均FIMは78.14点、退院時平均FIMが87.51点でした。入院時と退院時では平均して9.37点の向上が見られました。

研究活動

学会活動

  • 多職種による保存期CKD患者に対する指導の取り組み
    第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2025.3.15~16)
    中村 千宏
  • 血液透析患者における新型コロナウイルス(COVID-19)感染が及ぼした身体機能の経時的変化
    第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2025.3.15~16)
    中村 智哉
  • 両下肢切断した片麻痺患者へのチームでの移乗訓練が精神的好影響を与えた取り組み
    第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2025.3.15~16)
    杉田 拓哉
  • 血液透析患者における認知機能と生存率の関連:後ろ向きコホート研究
    第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2025.3.15~16)
    濱地 亮輔
  • 透析患者への嚥下評価の姿勢についての検討
    第15回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2025.3.15~16)
    前岡 雄輔
  • 透析患者への嚥下評価の姿勢についての検討
    第40回日本栄養治療学会学術集会(2025.2.14~15)
    前岡 雄輔
  • 透析患者の足病変に対し簡易インソールを用いた3症例
    第5回日本フットケア足病医学会年次学術集会(2024.11.29~30)
    林 有
  • 外来リハビリテーションにて介入している進行性核上性麻痺に罹患した症例の臨床像と課題
    第18回愛知県言語聴覚士総会学術集会(2024.6.30)
    石川 大樹
  • 当院通院送迎サービス利用者の状況調査
    第69回日本透析医学会学術集会(2024.6.7~9)
    曽我 竜佑
  • 腎移植患者の認知機能~高次脳機能検査・血液生化学検査・握力測定の結果を用いた2年間の経時的変化~
    第14回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2024.3.16~17)
    濱地 亮輔
  • 転倒による圧迫骨折を呈した維持透析患者の身体機能の経過
    第14回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2024.3.16~17)
    中村 智哉
  • CLTIにより短期間に複数回のEVTや足趾切断を施行し,歩行能力向上に難渋した理学療法経過
    第4回日本フットケア足病医学会年次学術集会(2023.12.22~23)
    林 有
  • 頚椎症性脊髄症にてADLが低下したがNCSSの活用により復職に至った長期透析患者の一例
    第22回東海北陸作業療法学会(2023.12.9~10)
    清水 柚乃
  • 透析導入期における心理的状況変化に応じて心理的支援に努めた理学療法経験
    日本理学療法管理学会・日本精神・心理領域理学療法研究会合同学術大会(2023.11.11~12)
    笠井 麻衣
  • 血液透析疾患において糖尿病性腎症を原疾患とする患者とその他の患者とのサルコペニア有症率の比較
    第9回日本糖尿病理学療法学会学術大会(2023.9.16~17)
    中村 千宏
  • 下腿切断術後の義足作製までに時間を要したが通院が可能な歩行能力の再獲得に達した糖尿・透析患者の一症例
    第9回日本糖尿病理学療法学会学術大会(2023.9.16~17)
    藤原 雄大
  • 足趾切断後,歩行能力維持のため理学療法を行った慢性維持透析・糖尿病性足潰瘍の一例
    第9回日本糖尿病理学療法学会学術大会(2023.9.16~17)
    林 有
  • 透析患者において原疾患が糖尿病性腎症とその他との身体機能比較と経時的変化
    第9回日本糖尿病理学療法学会学術大会(2023.9.16~17)
    中村 智哉
  • 糖尿病性腎症患者の脆弱性骨折リスク
    第9回日本糖尿病理学療法学会学術大会(2023.9.16~17)
    林 史人
  • アテローム血栓性脳梗塞発症後ADLや意欲が低下したが自宅退院に至った血液透析患者の一例 -腎臓精神病学に着目して-
    第31回愛知県作業療法学会(2023.6.11)
    山内 真理
  • 維持透析患者のSPPBの得点低下要因についての検討
    第33回東海透析技術交流会定例総会・スプリングセミナー(2023.5.22)
    中村 智哉
  • 嚥下造影検査時における咽頭残留物の除去方法についての検討 第38回日本臨床栄養代謝学会(2023.5.9~10)
    前岡 雄輔
  • 透析通院方法の確立を目的とした多職種連携の評価シート運用と入院透析患者に対するリハビリの関わり
    第13回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2023.3.18~19)
    藤原 雄大
  • 維持透析患者のSPPBの得点低下要因についての検討 第13回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2023.3.18~19)
    中村 智哉
  • 急性大動脈解離(Stanford-A型)術後に作業療法にて寝たきりから在宅復帰に至った長期透析患者の1例
    第13回日本腎臓リハビリテーション学会学術集会(2023.3.18~19)
    濱地 亮輔
  • 糖尿病性足病変による中足骨切断後、起立性低血圧増悪により介入に難渋した症例
    第3回日本フットケア・足病医学会年次学術集会 (2023.2.11~12)
    林 有
  • 孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病患者の作業療法経験
    第56回日本作業療法学会(2022.9.16~18)
    濱地 亮輔
  • 外来透析患者における骨粗鬆症有病率とサルコペニアの関連
    第24回日本骨粗鬆症学会(2022.9.2~4)
    林 史人
  • 歩行自立した外来透析患者の動脈硬化と身体機能及び筋力の関係
    第28回日本心臓リハビリテーション学会学術集会(2022.6.11~12)
    林 史人
  • 当院における新型コロナウイルス感染症陽性透析患者に対するリハビリ介入報告
    第12回日本腎臓病リハビリテーション学会学術集会(2022.3.26~27)
    藤原雄大
  • 10年以上透析中の運動療法を行った症例
    第12回日本腎臓病リハビリテーション学会学術集会(2022.3.26~27)
    小関裕二
  • CLTIにて両側大腿切断となった症例の在宅復帰までの理学療法
    第2回日本フットケア・足病医学会年次学術集会(2021.12.10~11)
    林 有
  • 嚥下訓練との組み合わせにおける舌圧の相乗効果について検討 第2報
    第36回日本臨床栄養代謝学会学術集会(2021.7.21~22)
    前岡雄輔
  • 血管内治療,外科的血行再建術後にグラフト結紮に至った包括的高度慢性下肢虚血(CLTI )患者に対する理学療法
    第1回 日本フットケア・足病医学会年次学術集会(2020.12.4~5)
    林 有
  • 当院の外来血液透析患者における転倒と身体機能の現状調査
    第65回日本透析医学会学術集会・総会(2020.11.2~24)
    中村智哉
  • 嚥下訓練との組み合わせにおける舌圧の相乗効果についての検討
    第35回日本臨床栄養代謝学会(2020.2.27)
    前岡雄輔
  • 透析患者の活動習慣の調査と活動習慣の有無が身体機能に与える影響
    第10回日本腎臓リハビリテーション学会(2020.2.22~23)
    藤原雄大
  • 当院の外来血液透析患者における転倒と身体機能の現状調査
    第10回日本腎臓リハビリテーション学会(2020.2.22~23)
    中村智哉
  • 腎移植患者の認知機能
    第10回日本腎臓リハビリテーション学会(2020.2.22~23)
    濱地亮輔
  • 当院外来患者におけるサルコペニアと栄養障害との関連
    第10回日本腎臓リハビリテーション学会(2020.2.22~23)
    楯 健吾
  • 腎移植患者の認知機能は低下しない??
    第53回日本臨床腎移植学会(2020.2.19~21)
    濱地亮輔

講演

  • 第15回腎臓から考える健康ライフセミナー(2025.3.2)
    小関 裕二
  • 腎移植患者の認知機能の経時的変化
    第57回日本臨床腎移植学会 ワークショップ(2024.2.14~16)
    濱地 亮輔
  • 第14回腎臓から考える健康ライフセミナー
    朝日新聞 紙上採録 (2024.3.21)
    小関 裕二
  • 入院中の透析患者に対する非透析時の運動療法
    日本糖尿病理学療法学会第2回サテライトカンファレンス シンポジウム 講演(2022.9.20)
    小関 裕二
  • CKD保存期患者のリハビリテーション
    名古屋西部CKD講演会(2022.3.3)
    小関裕二
  • CKD病期におけるシームレスな関わり(理学療法士として)
    第10回日本腎臓リハビリテーション学会(2020.2.22~23)
    小関裕二

執筆

  • 腎移植患者の認知機能の経時的変化
    日本臨床腎移植学会雑誌Vol.12 No.1(2024.7)
    濱地 亮輔
  • アテローム血栓性脳梗塞発症後ADLや意欲が低下したが自宅退院に至った血液透析患者の一例 -ピア・サポートを活用して-
    愛知作業療法32:48-52(2024.6)
    山内 真理