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免疫細胞治療

免疫細胞治療とは

当院で実施する免疫療法(免疫細胞治療)

 当院では、 23,000名*以上の治療実績を持つ、免疫療法(免疫細胞治療)の専門医療機関である瀬田クリニック東京と連携して治療を実施しています。また、当院は免疫療法(免疫細胞治療)の科学的エビデンスの強化や安全性・透明性の更なる向上を目的として全国約50の医療機関が参加している共同臨床研究に参加しており、その枠組みの中で治療を提供しています。(*2021年9月現在)

がん免疫細胞療法評価グループ・CITEG サイテグ

免疫療法(免疫細胞治療)とは

 免疫療法(免疫細胞治療)は、体内でがん細胞やウイルスなどの外敵と闘う免疫細胞を患者さんの血液から取り出し、人工的に数を増やしたり効率的にがんを攻撃するよう教育してから再び体内へ戻すことで、重い副作用なくがんを攻撃する治療法です。また、最近では三大療法(外科療法、化学療法、放射線療法)の効果が、患者さん本人の免疫状態によって左右されることも分かっており、免疫療法(免疫細胞治療)は、三大療法と併用することで治療の相乗効果※が期待されます。
※ 免疫療法(免疫細胞治療)の特徴参照

患者さんの血液中から、がんの攻撃に関わる免疫細胞を取り出し、約2週間かけて増殖・活性化・機能強化して再び患者さんに投与します

自然に備わる、身体を守る仕組み(免疫の仕組み)

 私たちの体には、ウイルスなどの外敵や体内で発生した異常細胞を排除して、体を守っていく仕組みが自然に備わっています。この仕組みのことを総称して“免疫”と呼んでいます。
 健康な人でも放射線や発がん性物質などの影響により、1日に数千個もの異常な細胞が体内に生じていると考えられていますが、免疫システムが異常な細胞を見つけ排除することで、がんとして発症するのを防いでいると言われています。
 しかし、体内に生じた異常な細胞が免疫システムの監視を潜りぬけて分裂、増殖していくと、がんとなって発症してしまいます。がん細胞の中には免疫細胞の増殖や攻撃を抑制する力を持っているものもあり、一度発症したがんを免疫細胞のカで抑え込むのは難しくなります。そこで考えられたのが、免疫の機能を強化することでがん細胞を抑え込む免疫療法(免疫細胞治療)です。

免疫療法(免疫細胞治療)の特徴

自らの細胞を用いることで、副作用が少ない治療です。

 免疫療法(免疫細胞治療)は患者さん本人の免疫細胞を治療に用いることから、軽い発熱を生じる場合があるほかは副作用がほとんどなく、患者さんの身体への負担が極めて少ないのが最大の特徴です。

【副作用について】
 当院で実施している免疫細胞治療は、治療用細胞を投与した後に軽い熱が出ることがありますが、多くの場合は38℃未満で1日以内に解熱します。また、その他に本治療に直接原因があると考えられる副作用として、だるさ、かゆみや注射部位反応(紅斑など)と思われる症状の出現をみることもありますが、多くの場合は軽度で数日で消失します。なお、当治療における副作用は、解析のうえ海外の学術誌にて発表しています(Anticancer Res.(2014))。

QOLを維持しながら、治療を行うことを目指します
他治療との併用が可能で、併用による相乗効果も期待できます。

 免疫療法(免疫細胞治療)は、他の治療法を受けている方でも併用して受けることができ、組み合わせ方によって相乗効果も期待できます。近年の研究から、免疫療法(免疫細胞治療)で全身の免疫力を高めることにより、他の治療の効果を損なうことなく治療全体の効果の向上が望めることもわかってきています。このことから、いわゆるがんの三大療法(外科療法、化学療法、放射線療法)の基盤となるべき治療法としても期待されています。なお、他治療を併用した臨床研究などの結果は、国内外の学術誌にて発表しています(https://www.j-immunother.com/about/research)。
・Oncotarget.(2018)
・Anticancer Res. (2013,2014,2015,2016,2017)
・Cancer Immunology Immunotherapy.(2011,2012)
・European Journal of Cardio-thoracic Surgery.(2010)
・Experimental Hematology.(2009)
・Pancreas.(2009)

再発予防治療としての効果も期待できます。

 免疫療法(免疫細胞治療)は、手術で取り残したり、術前の検査で発見できず再発の原因となってしまう微小ながんに対しても全身的に作用するため、再発予防には特に適していると考えられます。実際、千葉県がんセンターや国立がんセンターの研究により、手術後に免疫療法(免疫細胞治療)を行うことで再発が減少し、生存率が高まったという結果が、海外の権威ある学術誌に報告(Cancer Immunol Immunother(2014)、Lancet(2000)、Cancer(1997))されています。

免疫細胞治療は、三大療法の基盤となる治療として期待されています。
外来通院による治療であり、入院の必要がありません。

 治療自体は基本的には2週間おきに採血と点滴を繰り返すものとなりますので、入院の必要はなく外来通院での治療が可能です。ただし、あまりに症状が重篤な場合は、通院による負担が病状の悪化に繋がる恐れがありますので、ご相談ください。
また、一部の血液がん(白血病、T細胞型の悪性リンパ腫等)を除くほぼ全てのがんが適応となります。

初期の方から進行がんの方まで受診可能です。

 免疫療法(免疫細胞治療)は自己の細胞を用いる身体に優しい治療なので、初期段階の方はもちろん、進行がん・再発がんの方も受診可能です。また、一部の血液系がんを除き、ほとんどのがん種に適応できます(治療の種類によっても異なるので、詳しくはお問い合わせください)。

一人ひとりに合わせた“個別化医療”が可能です。

 人間の顔が一人ひとり違うように、がんも患者さんによって性質が全く異なります。一方、がんを攻撃する免疫細胞もさまざまな種類が存在し、治療に使う細胞の違いによって複数の免疫療法(免疫細胞治療)が存在します。
 当院では、アルファ・ベータT細胞やガンマ・デルタT細胞、樹状細胞など、使用する免疫細胞の違いによって複数の治療メニューを準備しています。がん細胞および免疫細胞の状態を事前検査によってつぶさに把握し、それに応じた治療をご提案することで、できるだけ数多くの患者さんに対して“個別化治療”を提供できる体制を整えております。実際には、上記の事前検査の結果のほかに、患者さんの現在のご状況(お身体の状態、他治療の実施状況、経済的状況など)も十分加味した上で、患者さん一人ひとりに合わせた治療を提供しています。

樹状細胞ワクチン療法

免疫療法(免疫細胞治療)の種類

当院で実施している免疫療法(免疫細胞治療)


 当院では、用いる技術や特徴の異なる免疫療法(免疫細胞治療)を行っています。
 一人ひとりの患者さんの症状・状態や、現在受けられている治療との併用効果などを考慮して、もっとも効果が期待できる治療法を選択し、ご提案いたします。

樹状細胞ワクチン療法

 樹状細胞(Dendritic Cell=DC)とは、体内でがん細胞を直接攻撃するTリンパ球に、がんの目印(がん抗原)を教え、攻撃の指示を与える免疫細胞です。
この樹状細胞を利用して、がん細胞だけを集中的に攻撃するTリンパ球(細胞傷害性Tリンパ球)を効率よく誘導する治療法です。
※自己がん組織を用いる方法と、人工抗原ペプチドを用いる方法あります。
樹状細胞ワクチン療法の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)

樹状細胞ワクチン療法

アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)

 がんに対する攻撃力が最も強い細胞のひとつであるT細胞の中でαβ型のT細胞受容体(TCR)を発現している細胞を主に活性化し、増殖させてから体内へ戻す治療法です。特定のがん抗原に頼るわけではありませんので、がん細胞の目印が分からない時、がん細胞が目印を隠している場合に、早期がんから進行したケースまで幅広く適用されます。
がん患者さんでは、免疫の働きに抑制がかかっていることも多いのですが、その抑制を解除する働きもあることが分かっています。また、化学療法や放射線療法の効果※を増すことも期待されます。
* 免疫療法(免疫細胞治療)の特徴参照
 ≫アルファ・ベータT細胞療法の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)

アルファ・ベータT細胞療法(αβT細胞療法)

NK細胞療法

 NK(ナチュラルキラー)細胞は、末梢血中のリンパ球の10~20%を占める、極めて強い細胞殺傷能力を持った免疫細胞の一種で、身体の中を常時パトロールし、がん細胞やウイルス感染細胞などの異常な細胞をいち早く発見して攻撃する、初動部隊です。
NK細胞療法は、患者さん自身のNK細胞を体外に取り出し、高度に安全管理された環境下で大幅に増殖・活性化して体内に投与します(治療開始前の患者さんの免疫状態等により、NK細胞の増殖度合いは異なります)。さらにハーセプチン、リツキサン、アービタックス※などの抗体医薬を使っている場合に併用することで、より効果(J Biomed Biotechnol(2011))が期待されます。
※ハーセプチン、リツキサンはジェネンテック社、アービタックスはイムクロンエルエルシーの登録商標です。
 ≫NK細胞療法の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)

NK細胞療法

ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)

 ガンマ・デルタT細胞療法とは、がん細胞を攻撃する力を持つ免疫細胞(リンパ球)のうちガンマデルタ型のT細胞受容体を発現しているT細胞を用いた免疫療法(免疫細胞治療)です。肺がんや多発性骨髄腫をはじめ、様々ながん種を対象に、大学病院等で臨床研究が実施されており、さらにその成果が論文として発表されるなど、期待される治療法の一つです。
ガンマ・デルタT細胞には、細菌やウイルスなどに感染した細胞やがん化をはじめた細胞の変化を素早く感知して攻撃をしかけるといった特徴があり、以前から注目されていました。T細胞の中でもわずか数%しか存在せず、培養が難しい細胞のため治療に用いることが困難とされていましたが、ガンマ・デルタT細胞の安定的な大量培養が可能となったのを受け、治療を実施しています。抗体医薬を使っている場合や、骨腫瘍・骨転移などの治療にビスフォスフォネートを使っている場合、併用することで相乗効果(Int. J. Cancer(2008))を期待できます。
 ≫ガンマ・デルタT細胞療法の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)

ガンマ・デルタT細胞療法(γδT細胞療法)

免疫細胞培養の技術・安全性

最新かつ安全性の高い環境で細胞培養を行っています

 当院で提供している免疫療法(免疫細胞治療)は、患者さんの血液から免疫細胞を取り出し、約2週間かけて培養した上で再び体内に戻す先端的な再生・細胞医療です。患者さんの細胞を体外で培養・加工する過程においては、安全性確保のためのプロセス管理は非常に重要です。患者さんからいただいた血液は、厚生労働大臣に許可された株式会社メディネットの細胞培養加工施設(CPC:セルプロセッシングセンター)に運ばれ、血液中から取り出した免疫細胞を約2週間かけて増殖、活性化させます。こうした細胞医療においては、本来体内にある細胞を生きたまま体外で培養・加工するため、きわめて高度な安全管理・品質管理体制が求められます。

*細胞培養施設
患者さんの細胞を培養するクリーンルームは、無菌医薬品を製造する部屋と同等レベルの管理がなされています。空調設備や使用する機材は、コンピューターによる一元管理システムで24時間リアルタイムに稼動状態を監視されています。

受診患者数・症例報告

 免疫療法(免疫細胞治療)を含む再生医療は、2014年11月24日に施行された「再生医療等安全性確保等に関する法律(再生医療安全性確保法)」のもと国への届出が義務付けられています。当院で実施する免疫療法(免疫細胞治療)は、瀬田クリニックグループと共に多施設共同臨床研究を実施する施設として届出を行っており、全体の免疫療法(免疫細胞治療)の受診患者数・症例報告等については、以下を参照ください。
 ≫これまでの受診患者数の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)
 ≫症例報告の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)
 ≫治療成績の詳細はこちら(瀬田クリニック東京 HP)

治療効果に関するエビデンスについて

免疫療法(免疫細胞治療)の治療効果に関するエビデンス

 免疫療法(免疫細胞治療)の有効性のエビデンス(科学的根拠)を示している臨床研究は国内外に数多く存在し、がんの免疫療法(免疫細胞治療)を専門とする数多くの医師や研究者の手によって国内外で幅広く行われています。その中で治療に関する安全性や有効性のエビデンスは数多く報告され、学会や世界的な学術誌でも発表されています。
 ≫免疫療法(免疫細胞治療)の治療効果に関するエビデンスについて(瀬田クリニック東京 HP)

再発予防としての免疫細胞治療

がん再発のしくみ

がんが発生部位(これを「局所」といいます)にとどまっている場合には、主に手術や放射線療法といった局所療法が行われ、体内からがんを取り去ることができればひとまず心配はなくなります。近年ではがんの早期診断等により初期に発見され、局所療法の適応となるケースも増えています。
 しかしながら、がんが排除できたように見えても、稀に検査にひっかからない微小ながんが残存してしまうことがあります。この微小な残存がんが時間をかけて増殖し、再び腫瘍というかたちで表れてくるのががんの再発です。微小な残存がんが血液やリンパ液の流れに乗って他臓器へと運ばれ、遠隔転移をきたしてしまうこともあります。

免疫細胞治療による再発予防

 目に見えない微小がんをたたく方法としては、化学療法などの全身療法が一般的です。手術後に術後補助療法として化学療法を行うのも、この微小がんの排除が目的です。ただ、抗がん剤を長く使用しているとその抗がん剤に対してがんが薬物耐性を持ってしまうことがあり、そうなるとがんを完全に排除することは難しくなります。
 免疫細胞治療は化学療法と同じく全身に作用する治療法です。がん患者さんでは健康な方に比べて免疫力が低下しているという研究結果があり、免疫細胞治療はこの失われた免疫力を再び強化し、がんの発生を抑えようとするものです。全身をめぐり見えないがんをやっつけるという目的は抗がん剤と一緒ですが、その作用のしくみは異なるため、抗がん剤では十分な効果が得られない場合でもがんの再発を予防できることが期待されます。

健康な方とがん患者とのTリンパ球数(がん細胞を攻撃する免疫細胞数)の比較

 これまでに肺がん手術後の患者さんに術後化学療法または放射線療法と併用して免疫細胞治療を実施したところ、実施しなかった患者さんにくらべて長期生存率が上昇したという研究結果が得られています(千葉県がんセンター:2007-2012年)。

肺がん患者さんの手術後の生存率の比較

料金表

 免疫療法(免疫細胞治療)は公的保険が適用されない自由診療のため、治療費はすべて自己負担となりますが、 医療費控除や民間のがん保険などが適用となる場合がございます。
 費用は、初診料、検査料、治療費の合計となります。 治療の種類は、患者さんの症状やがんの状態、現在受けられている治療を踏まえ、医師との相談によって決定されます。

※2022年8月1日(表示金額は税込)

初診料等
初診料 33,000円
初診相談料 16,500円

検査料等
免疫機能検査(FMC検査)料 *1 77,000円
免疫組織化学染色検査料 *2 15,400~62,700円
HLA検査料 *3 16,500円
ウイルス検査料 *4 5,300円

治療費
アルファ・ベータT細胞療法 1回 275,000円 × 実施回数
ガンマ・デルタT細胞療法 1回 330,000円 × 実施回数
NK細胞療法 1回 385,000円 × 実施回数
樹状細胞ワクチン療法(単回採血) *5 1回 236,500~302,500円 × 実施回数

※ 各採血毎に血液輸送料6,940円・加工細胞輸送料6,940円費用がかかります。

*1 体内の免疫状態を調べ、適切な治療の種類を決める検査の一つです。
*2 がん細胞の特徴を調べ、適切な治療の種類を決める検査の一つです(手術等で切除した標本等が必要になります)。
  検査の種類や項目数により金額が変わります。
*3 ペプチド感作樹状細胞ワクチン療法に必要な検査です。
*4 ウイルス検査が必要な場合に実施します。
*5 樹状細胞ワクチン療法については、上記は一例であり、使用する抗原ペプチドの数や検査の項目数により金額が変わります。

(注1)
・治療の効果判定を行うためには、おおむね6回程度の治療が必要です。
・採血毎に、1治療分のお支払いとなります。

治療対象となる方・お問い合わせ

一部の白血病等を除くすべてのがんが治療の対象になります

 現在、比較的早期の方から、再発・転移をともなう方まで様々なステージの患者さんが受診されています。がん種、病期(ステージ)に関わらず広く対象となりますので、まずはご相談ください。ただ、よりすぐれた効果を期待するためには、できるだけ早い時期からの治療をおすすめします。手術後に、再発を予防する目的で受診される方も増えています。
 免疫療法(免疫細胞治療)は副作用の少ない治療法ですが、患者さんのお身体の状態によっては、外来通院によって負担が大きくなることも考えられます。外来通院が可能な健康状態として、おおむね以下の点をご参考ください。なお、車椅子をご使用される方は事前にご相談ください。

外来通院が可能な健康状態

  • 食事はある程度摂ることができる
  • 身の回りのことが自分でできる
  • 歩行が可能である
  • 無理なく来院できる

以下の方は治療をお受けいただけません

  • HIV抗体陽性の方
  • 臓器、同種骨髄移植を受けられた方

また、以下の方は樹状細胞ワクチン療法のみ可能となります

  • 一部の白血病、T細胞型悪性リンパ腫の方
  • HTLV-1抗体陽性の方

免疫療法(免疫細胞治療)についてのお問い合わせ

TEL:052-451-1307(代表)
月~土 13:00~16:30(日、祝日除く)

診療日・診療時間

火曜日 9:00~12:00(完全予約制)