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肝臓内科

肝臓内科の特色

「心のこもった技術」と「安心して治療を受けていただく」をモットーに、患者さんごとに合った最小限の侵襲で最大の効果を目標として、肝疾患治療のチーム医療を行っています。
メンバー間の「和」、「コミュニケーション」、「チームワーク」は最も重要なことであると考え日々治療に携わっています。

肝癌治療は、2007年11月より、ラジオ波焼灼療法中心に経皮的治療を施行しております。
2018年9月よりマイクロ波治療も開始しています。(透析患者さんも可能です)
2014年からC型慢性肝炎に対して経口治療も開始しています。(透析患者さんにも可能な薬があります)

特色

  • 日本肝臓学会認定専門医が肝炎から肝細胞癌までの治療を行っています。
  • 腹水排液は、入院当日の朝外来にて処置後、1日入院していただくクリニカルパス導入しております(1泊2日)。また腹水濾過濃縮再静注法(CART)およびKM-CART技術(2泊3日)も施行しています(透析患者さんも可能です。他院受診中で施行希望の患者さんは紹介状持参してください。)
  • 緩和ケアの必要な患者さんは、栄養指導・痛みのコントロールも行っています。
  • 内科的には、肝細胞癌に対してラジオ波焼灼療法を中心に、2018年9月からはマイクロ波焼灼療法を開始しました。エタノール注入療法・熱湯注入療法など治療の工夫をし、安全にやさしい治療をしております。(どの治療も維持透析患者にも可能です)
  • 肝臓病サポートチームもあり、年2回の肝臓病教室も開催しています。
  • NST稼働施設および日本臨床栄養代謝学会認定施設であり、嚥下造影検査は内視鏡・放射線使用での評価は、可能です。(外来での検査も可能です)
  • 県認定の肝炎コーディネーター(医師1名、管理栄養士1名、理学療法士1名、臨床検査課1名、看護師2名、社会福祉士1名 計7名が在籍しています。)

検査・治療

検査

  • 造影エコー
  • 嚥下造影(videofluoroscopic examination of swallowing:VF)
  • 嚥下内視鏡検査(videoendoscopic examination of swallowing :VE)

治療

  • 肝細胞癌治療(マイクロ波、ラジオ波)
  • 難治性腹水治療
  • 肝細胞癌 ラジオ波焼灼療法(RFA) (3泊4日)
  • 肝細胞癌 マイクロ波焼灼療法 (3泊4日)
  • 腹水排液(腹水濾過濃縮再静注法:KM-CART技術)(2泊3日)
  • 経皮的エタノール注入療法(PEIT)
  • 食道静脈瘤結紮術
  • 経皮的胆のうドレナージ術
  • PEG交換

ラジオ波焼灼療法(RFA)

当院では、2007年から年間40件前後の治療を行ってきています。ラジオ波の治療の基本は、超音波下で行います。超音波で見えないものは、肝臓外科で、開腹下、腹腔鏡下、胸腔鏡下または、CTガイド下で施行いたします。ラジオ波は、1999年より日本には、本格的に導入され、2004年4月から保険適応となりました。腫瘍の中に電極針を挿入し、電極周囲をラジオ波により誘電加熱し、癌を凝固壊死させる方法です。RFAの針は、当院では、Boston scientific社とMedico Hirata社の製品を使用しています。前者が、展開針の電極針を使用するのに対して、後者は、通常の電極針は、針状であります。当科では、腫瘍の大きさや、部位によって使い分けて治療をしています。


  • Boston scientific社
    (展開針)

  • Medico Hirata社
    (腫瘍の大きさによって、針を変動することが出来ます)
当院での適応
  • 病変が切除不能または患者さんが切除を希望しない
  • 病変が3cm 3個以内
  • 血小板が5万以上
  • プロトロンビン時間50%以上
  • 総ビリルビン値3.0mg/dl以下

現在は、エコー機種の進歩により、超音波装置上にCTやMRIなどの画像を超音波画像とリアルタイムに同期して表示することのできるフュージョン画像システムを用いて、安全で確実な治療も施行できます。

人工胸水貯留

横隔膜直下にある腫瘍は、肺が肝臓近傍にあるので超音波で腫瘍を描出することが困難な場合があります。当院では、超音波で観察し、肋間から腹腔鏡使用時の針を用いて、胸腔内に生理食塩水を貯留することにより、肺を上方に押しのけ、確実に描出し安全に治療できます。

人工胸水貯留

透析患者さんに対するラジオ波焼灼療法

透析をされている患者さんは、術中および術後にも出血のリスクが高いです。 当院は、腎臓・肝臓の専門病院であるため、入院調整もスムーズにできます。 また、慢性腎不全患者さんで、造影CTを使用できない患者さんに対して、造影エコーで腫瘍を確認し、その後治療が可能です。

マイクロ波焼灼療法

マイクロ波アブレーション(以下、MWA)では、同じマイクロ波を使った電子レンジと同様の原理を利用してがん細胞を熱で焼灼します。マイクロ波が水分子を回転させることによって摩擦熱が発生します。過去にも肝臓がんの局所療法の一つとして臨床に用いられていましたが、短い時間で治療が行える一方で、狭い範囲しか焼灼できないというデメリットがあり普及しませんでした。しかし2017年7月に導入された次世代MWAは新しい技術を東海地方では一早く導入しました。

  • 図: Emprint ablation system (Covidient社Webサイトより)

利点
  • 1回の焼灼でラジオ波より大きく焼灼されます。
  • ラジオ波治療に比較して焼灼時間が短縮されます。
  • 従来型のMWA機器や、冷却式電極を用いたRFAでは、焼灼域が楕円形になってしまうことや、
    血流により焼灼範囲が冷やされてしまう冷却効果(heat sink)などから、焼灼範囲を予測するのが
    難しいという欠点がありました。次世代MWAはこの欠点を克服し、完全な球形に近い焼灼範囲が
    得られるようになりました

当院での適応はラジオ波焼灼療法時とほぼ同等ですが、大きな血管近傍や主要臓器からの腫瘍距離が1cm未満であると治療適応外となることもあります。今後2cmをこえる病変の治療はラジオ波から新世代のMWAに移行していく予定です。

(図:卵を使った実験例:当院にて施行)

マイクロ波治療動画

腹水濾過濃縮再静注法(KM-CART技術)

KM-CART技術とは

KM-CART技術は、要町病院腹水治療センター長である松崎圭祐先生が考案された、大量の腹水排液にも対応した治療方法です。腹水を全量抜き、全量処置して点滴で戻します。

適応症例について

① 水分・塩分制限、利尿薬などで改善しない難治性腹水 
② 癌性腹水

当院での流れ

外来受診後日程調整し入院治療となります。入院期間は腹水を全量抜いて治療するので2泊3日になります。保険適応であり、2週に1回の施行可能です。問題点が出た時は、松崎先生とすぐに連携が出来る体制で施行しています。

腹水治療外来について

2019年7月から腹水治療外来を開始しました。

  • 大量の腹水でお困りの方、苦痛や不自由を感じてお悩みの方
  • 腹水が少したまり始めたような気がするが、どうすればよいかお悩みの方

実績

実績件数

項目 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年~2010年
ラジオ波焼灼療法(RFA) 6件 9件 1件 10件 21件 18件 計183件
マイクロ波焼灼療法
※2018年9月より開始
10件 5件 8件 1件
KM-CART技術 73件 43件 51件 54件 34件 74件

スタッフ紹介

堀田直樹(ほった なおき) 増子記念病院 院長補佐

日本内科学会認定内科医
日本肝臓学会認定専門医・指導医・西部会評議員
日本消化器病学会認定専門医・指導医・東海支部会評議員
日本消化器内視鏡学会認定専門医・指導医・東海支部会評議員
日本消化器がん検診学会認定医(肝胆膵・胃)
日本臨床栄養代謝学会認定医・指導医・代議員
日本病態栄養学会認定医・指導医
日本門脈圧亢進症学会評議員
日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医・代議員
ヨーロッパ静脈経腸栄養学会 LLL講師
名古屋大学医学部保健学科 検査技術科 非常勤医師
日本アブレーション研究会 世話人

施設認定

  • 日本肝臓学会認定施設
  • 日本臨床栄養代謝学会認定施設
  • 日本病態栄養学会認定施設
  • 日本病態栄養学会栄養管理・NST実施施設
  • 日本臨床栄養代謝学会栄養サポートチーム専門療法士認定教育施設
  • 日本消化器病学会認定関連施設

連携医療機関へのメッセージ

  • 腹水貯留をお困りの患者さんがみえたら、いつでもご紹介ください。
  • 小腸・大腸カプセル内視鏡検査施行可能です。
  • 肝細胞癌経皮的治療の選択肢は増えています。

診療のご案内

●受付開始時間:朝8:00~、夕15:30~ 
●外来予約受付:052-451-1541
診療時間
9:00~12:00 堀田直樹 - - 堀田直樹 - 堀田直樹
16:30~19:00 堀田直樹 - - - - -